ヘアドネーションをやってみて

暮らし

こんにちは~!めぐみです。

今日は「ヘアドネーション」について書こうと思います。私は2020年から髪の毛を伸ばし始め、約4年で腰下くらいまでの長さになりました。

ヘアドネーションを始めて気が付いたこと、改めて考えないといけないなぁと思ったことがたくさんあったので書いていきます^^

ヘアドネーションとは

Hair(髪の毛)とDonation(寄付)を組み合わせた言葉で、その名の通り髪の毛の寄付という意味です。1997年にアメリカの「Locks of Love」という団体がボランティアとして始めた活動とされていて、日本では2009年に「NPO法人Japan Hair Donation & Charity」がこの活動を始め、他多くの団体が同様の活動をしているそうです。有名な女優さんがヘアドネーションをして、報道されたこともあるので、ご存じの方も多いかと思います。

寄付予定の団体です
ホーム<ヘアドネーション 社会貢献活動>|Japan Hair Donation & Charity【ジャーダック JHD&C】 (jhdac.org)

髪の毛を寄付するための条件3つ   

寄付された髪の毛は、がんや脱毛症などで髪の毛を失った人のための100%人毛のウィッグになります。私が行うにあたって、特別難しいことではなさそうでした。

規定は以下の通りです。

(様々な団体が活動に取り組んでいるため、団体により様々な規定があるそうです)

  1. 切った髪の毛の長さが31㎝以上
  2. 引っ張ると切れるくらいに傷んでいないこと(パーマやカラーはOK)
  3. 完全に乾いていること(カビや雑菌が繁殖するため)

が条件ということでした。

ある程度の長さがないと頭を覆う形状のウィッグにできないため、31㎝以上の長さが必要なのだそうです。私はすでに肩の下くらいまでの長さがあったので、これはクリアできそうだなという感じでした。まずは目標を31㎝以上に伸ばすことにしました。

友人が先にドネーションをしていたこともあり、捨てられてしまう髪の毛でも、こうやって誰かのためになるのなら。ダメそうならやめればいいやくらいの感覚で、スタートしました。

ヘアドネーションに対するネガティブな言葉

もともと長めだったのもあり、2年かからずにで31㎝に到達しました!

伸ばし始めて2年。自分でも「かなり長くなったなぁ」と感じる長さとなり「ケアも大変だし、やっと伸びた!切れる!」っていう感じでした。

市内に1店舗だけという、ヘアドネーション賛同店にドネーション用のカットの申し込みをしたのです。

いざ散髪の日、お天気が最悪……。バケツをひっくり返したような暴風雨になってしまったんです。「駐車場から美容院に入るまでに、頭からずぶ濡れになってしまうじゃん!」とキャンセルしたのです。そう、ドネーションする髪の毛が濡れてしまうと、カビや雑菌が繁殖してしまうため、結果廃棄せざるを得ないのだそうです。

せっかく伸ばした髪の毛を、捨ててしまうのはもったいなすぎる!!

と、美容院を当日キャンセル。こんな悪天候なのでキャンセル料はいりませんよ~といつもの美容師さん。優しい……。

さて、キャンセルをしてしまったその日、もう一度ヘアドネーションのことを何気なくネット検索したところ、目に入ってきたのはヘアドネーションに関連するキーワードの「意味ない」「ただの自己満足」。そんなネガティブな言葉でした。

「31㎝まで伸ばしたのに意味ないの??」と、そりゃ思うわけですよね。

ヘアドネーションは意味のないことなのか

もう少し詳しく情報を調べてみました。

ここで気が付いたことが2つありました。

ヘアドネーションが意味がないされることついては、根拠のある事実(研究結果など)ではなく、個人的な感情で掲示板に書かれたネット上のウワサレベルの情報でした(YAH〇〇!知恵袋に特に多い気がします)

そんなウワサが広がった理由

  • 安く、しかも自然な人工毛のウィッグがたくさん販売されている
  • 既定の長さに足りずウィッグとしては活用できなかった、31㎝に達していない髪の毛が多かった
  • 濡れているなど状態が悪いものが送られてきて、廃棄せざるを得なかった
  • 送られてくる髪の毛が増えても、ウィッグに仕上げるのはすべて手作業。生産数には限界があるため、加工待ちの髪の毛がたくさん保管されている

ということからネガティブなネット記事もあるのかなと思います。

需要と供給のアンマッチ

そして知ったのは、髪の毛の長さの需要と供給がマッチしていないということでした。

どういうことかというと、髪の毛の長さによるウィッグの種類は以下の通りです。

  • 31㎝以上でショートヘア
  • 40㎝以上でボブヘア
  • 50㎝以上でロングヘア
  • 60㎝以上でスーパーロングヘア

寄付される髪の毛の長さによって、ウィッグのスタイルが変わってきます。

需要(寄付を受ける側)としては、ウィッグを必要としている女の子は圧倒的にロングヘアの方が希望が多いのだそうです(自分も長い髪に憧れたもん。分かる、その気持ち。実際、そんなに伸ばせなくて切ってしまったのだけど)

一方、供給側(寄付をする側)は、31㎝は多く集まるのですが、ロングに必要な50~60㎝以上の髪の毛の寄付は少ないのが現状です(こっちの気持ちも分かるよ。長いと大変なことも多いから、切りたくなっちゃうもん)

そのように需要と供給の量が釣り合っていない問題があることが分かりました。

「そうか、ロング用が足りていないなら、31㎝ではなく50㎝を目指そう!」と再決意。さらに2年かけて50㎝になりました。

ヘアドネーションをして(切る前だけど)気付いたこと3つ

  • 髪の毛のことを考える時間が減った

いつ切りに行こうか、どんな髪型にしようか、カラーリングしようかな、とかを考えなくてよくて、めっちゃ楽だった!

カラーもパーマもしても問題はありませんが、髪の毛が多少傷む可能性もあるため、やめました。髪の毛のことを考えることがなくていいからいい(色気のない理由だなw)

今は、カラーもパーマもせず、前髪もない状態で伸ばしっぱなしです。せっかく寄付するなら健康な髪の毛の方がいいなと、たまーに美容院でトリートメントをしていました。

  • 髪の毛を洗うより、乾かすのが大変

結構、聞かれるのが「髪を洗うのとか、大変じゃない?」ということですが、そんなに変わらないです。意外と時間がかかって大変なのは、髪の毛を乾かすこと。特に冬は乾きにくく苦労します。

  • 「善意のマウンティング」にならないように注意する

え、マウンティングなんてしているつもりもないが。一体……。

善意のマウンティングとは

少し話は戻りますが「ヘアドネーションは意味がない」とか「ただの自己満足」と言われるのは、間違った認識なのかなと思います。

ただ、「髪の毛を寄付したからいいことをした」この部分だけを見ているのは、本質を捉え切れていないのかも知れません。偉そうに言ってますが、4年前の自分にはこの部分しか見えていませんでした。

このヘアドネーションの取り組みやウィッグが必要とされる理由の本質には「社会の偏見」があります。一般的には、小さな頃から髪がある状態が“普通”で、髪がないことは少数派です。

髪がないことに対する、無意識の偏見を助長する可能性

「髪の毛がない人が偏見を受けない社会であれば、ウィッグは必ずしも必要なものではなくなります。つけたいと思えば付ければいいし、髪の毛やウィッグがなくても「これが自分」と胸を張れる社会であればいいのだと思います。

何かしらの理由で髪を失ったり、先天性の病気で髪がない子どもたちは、人の視線を感じ家に閉じこもったり、いじめを恐れて不安になったりするでしょう。

そんな子どもの様子を見ると、親も落ち込んでしまうと思うんです。変な目で見られたくない、いじめられたくない、人の目が怖いという理由で、本当は付けたくないウィッグを付けている子どももいると知りました。

「変わっている」と言われない社会

丸ぼうずの女の子や髪の毛を伸ばす男の子が「変わっている」と言われない社会になるといいなと思います。自分らしさが受け入れられることで、ウィッグを付ける付けないの選択肢が持てる社会になるようにー。

ネガティブな声は「ウィッグを必要としている人の声」ではなく、必要としていない側の人が、自分のものさしで言っているだけです。「X(旧Twitter)」には、感謝の声もたくさんあります。現に必要とされている、価値のあることだと思います。

私は、ヘアドネーションが偽善だなんて全く思いません。ウィッグを必要とする人がいるならもう少し頑張ってみようかなと思います。伸ばし始めて、早4年。いよいよ、髪の毛を切る時が来ています。

(もう切っちゃおうかな、と思った時にコロナにかかり、2度目の美容院のキャンセルをしたのは、ナイショの話。まだ切るなということかしら……)

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